class: title, smokescreen, shelf, no-footer # <small>最終課題の進め方と設計ガイド<br>(「最終課題のダンドリと設計ガイド」を改訂)</small> <div class=footnote> <small> Copyright (C) Ken'ichi Fukamachi <fukachan@fml.org>, 2021-2025. CC BY-NC-SA 4.0 </small> </div> --- class: compact # 課題とシリーズ構成(第09-15回、その後) <div class=footnote> <small><small> (脚注) オリエンテーション資料から一部をマージし直しました。 再掲のスライドは手短にいきます </small></small> </div> <small> 【課題】 <b>SIer(システムインテグレータ)として、お客様(大学)に次期ネットワークを提案</b>してください <br> ****(超現実的で、実践的な)SIerのインターンシップみたいなものです**** 【シリーズ構成】 - 第09-11回( 設計の練習) - 第12-14回(グループワーク) - 冒頭のEL以外は、グループワークで提案を練る時間にあてます - グループごとのブレイクアウトルームを用意するので、そこで相談してください - 技術の上司(役)やお客様(役)等への質問も可能です(次頁の図を参照) - 第15回(提案の発表会) - グループごとに提案書をプレゼンテーション - 期末試験 </small> --- class: compact # <small>SIer(システムインテグレータ)役として目指すべきもの or 心がまえ</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) オウム返しの提案書なら、(どの会社の)誰が担当しても同じものが出来ます。 まして、今なら生成AIが10秒で作るでしょう <br> (脚注2) お客様はシステム構築について素人 ... そのためにプロ(あなたがたSIer)がいるのです <br> (脚注3) 言語化できてない -> (お客様は)とうぜん話せない -> こちら(SIer)が推測して「こうですか?」「(ちがうなら)こっち?」とか、 いろいろアイデアピンポンしてみると、何かアタリを引くかもしれません:-) </small></small> </div> <small> 1. お客様の要望書に従い<b>オウム返しの提案書を書くだけでは受注できません(ご飯が食べられません)</b> 1. お客様はシステム構築について素人か半素人なので、とうぜん色々ぬけがあります 1. <b>お客様が言語化できていない</b>ものを推測し、お客様に確認できると <br> -> 「グループ独自のウリ」(次頁を参照)につながります。以下、例: - (暗黙の)仕事の仕方(ルール) - 実は今こまっていて何とかしたいけれど ...(言語化できてない) - 要望書の項目A -> 最新の製品Xを使う(それとは違う)良い解決法がありますよ? <br> <b>(SIerからの逆提案、もちろんアリです)</b> </small> --- class: compact,img-right # <small>第12〜15回の体制とフロー</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 「グループ独自のウリ」を考えるところはアイデアソン(アイデア+マラソンの造語)、 アイデア勝負ですね。 </small></small> </div>  <small> - 各グループで相談、提案書の作成 <small> - 各種資料を参考にしてください: <br> 最終課題の仕様書、本資料、原価表、FAQ </small> - グループ独自のウリを盛りこむ(前頁も参照) <small> - (大学のネットワークは、みなさんも当事者ですから)こういうものがあったらいいな?を盛り込んでOK - (不要なものを提案しても無意味なので)「提案〜はどうですか?」と、お客様に訪ねてみるのが確実です </small> - 提案書の技術細部の疑問は相談可 <small> - そもそも「提案〜」は技術的に可能か? - 原価表にない製品の相談と見つもり </small> </small> --- class: compact # <small>提案書に必要な内容と評価</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) 要求定義にもとづく基本設計は誰(どの業者)がやっても、ほぼ同じものになります。 今なら10秒で生成AIが作成してくれそうです。 そのため「グループ独自のウリ」でお客の心をつかめないと、あなたは受注できません (-> ご飯が食べられません) <br> (脚注2) 良い提案ばかりなら、全グループ「ゴールド金賞」でもOK(吹奏楽コンクール方式) </small></small> </div> <small> - お客様からの要望の詳細は資料「最終課題の要求定義」を参照してください - 基本設計レベルの技術的な内容と見積もりが必要です - 見積もりは原価表を参考にリアルな値段を計算してください(お金の計算、ガチ実務です) - わからない用語はインターネットさんに聞いてみてください - (必要があれば)ネットワークの基本構成自体を大きく変更した提案も可です - 発表会は(現実世界の)コンペとは異なります - きちんと提案内容の<b>理由</b>を述べてください。 理由があれば見積額の大小で評価は上下しません - 例:新しい設備やサービスの追加、逆に安価にする工夫など - 例:なぜ「この機材構成なのか?」「この機材/サービスを追加した?」など ... - 「高いことには理由がある」「安いことには理由がある」どちらもOKです - 逆に、提案への質疑応答の際<b>「あやふやな理由を回答 -> 低い評価」</b>になります </small> --- class: compact # <small>「最終課題の発表会」の準備</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 全グループを回って質問するため事前に読みこむためです </small></small> </div> <small> - 発表会の資料(スライドやポスター)は事前に提出してください </small> --- class: compact,img-right # <small>最終課題の発表会のダンドリ</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 教員は全グループで質問します (そのために事前に発表資料を提出してもらいます)。 さすがに最後の3〜4グループは昼休みに食いこんでしまうかも -> ずれた分、午後の授業も遅刻OKになるよう調整しておきます。 一方、3年生/TA/SAは一部をみるだけ </small></small> </div>   <small> - 【機材】 H101で(企業説明会のように)机を分散させて22グループを分散配置します <small> - 各組にディスプレイ(右図;上)を用意します -> PCでプレゼンできます。 もちろんポスターでもOKです </small> - グループごとの発表です <small> - 教員/TA/SAが回ってくるので、発表と質疑応答をしてください <b>(教員は3〜4分の質疑応答のみ)</b> </small> - 個人の作業 <small> - 他の(最低2)グループの発表も見て投票してください(-> プレゼンは交代制) - スキマ時間でアンケート等の回答(詳細はポータル) </small> </small> --- class: title, smokescreen, shelf, no-footer # <small>おおまかな進め方</small> <div class=footnote> <small> </small> </div> --- class: compact # <small>おおまかな進め方 (第12〜14回)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) 前半は、 第09回〜第11回で練習した内容を、実際の環境に近づけて、設計しなさいということになります <br> (脚注2) 第12回〜第14回は、お客様役で小松川先生が登場の予定ですので、 お客様にヒアリングすることが出来ます </small></small> </div> <small> - グループ全体で考えるのか分担するのか?などは各グループで話し合ってください 1. お客様からの要望(最終課題の仕様書)を読み、想像してみる <small> - お客様は(「なぜ」)「何(どのようなネットワーク)を」作りたいのか? - ここで「お客様」は大学のネットワーク管理をする部署と想定してください (具体的には「情報センター」です) - 曖昧なところは、お客様に尋ねる(ヒアリングする)ことが出来ます (脚注2) </small> 1. 提案に独自のウリを盛りこむ <small> - (大学のネットワークは、みなさんも当事者ですから)こういうものがあったらいいな?を盛り込んでOK - こういう提案はどうですかね?と、お客様に訪ねてみると良いです (脚注2) </small> 1. 基本設計 e.g. VLANとIPアドレスの割り振り、フィルタリング 【練習済】 1. 構築に必要な機器をリストアップし、価格を見積もる 【練習済】 1. インターネット接続回線の調達 【後述、原価表も参照】 1. 作業費と保守費を見積もる 【原価表も参照】 1. さらに利益を載せる 1. これらすべてを盛りこんだ提案書を作成し、お客様へのプレゼン(第15回)の準備をする </small> --- class: compact # <small>凡例</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) FAQ = Frequently Asked Questions (よく聞かれる質問) </small></small> </div> <small> - 以下、「おおまかな進め方」の各項目について、事例やヒントを紹介していきます - 第09回〜第11回で設計練習した内容は再録していません -> 各回の資料を参照 - 別の資料も使う前提です。てきぎ参照してください - 機器の価格 -> <b>原価表</b> - よく聞かれる質問 -> <b>FAQ</b> - 5.回線、6.作業費・保守費は新規の内容です -> 原価表を参照 - 5.の技術面は本ガイドで後述しています - 曖昧な点や未記載の機器やサービスについては相談してください(前述の図を参照) </small> --- class: compact # <small>【1.要望の分析】 仕様書だけでは分からない細部はヒアリング(1)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 仕事の仕方も違うのだから必要な機器や設定も異なることがイメージできますか? </small></small> </div> <small> 【例】一般の会社の仕事の仕方(あえて<b>課題の直接の答えにならない</b>例) - 技術 (プログラマ,SE,〜マネージャ) - 実際にプログラムを作成するので、基本的にオフィスで仕事。 - <b>2020年からはテレワーク化も進んでおり、人によっては在宅作業も可</b> - 営業 (見込み客の発掘〜売上回収まで) - お客さんを発掘、訪問、お客様にヒアリング - 客先に訪問しないと話が進まないので<b>外出が基本、外出先から社内システムを使いたい要望あり</b> - ただし<b>既存顧客とは最近オンライン会議</b>もするらしい - 事務 (総務、人事、財務、施設管理...) - 基本オフィスで仕事。紙でないといけない仕事も多い。 - <b>個人情報の扱いも多いのでテレワーク化は進まず</b> </small> --- class: compact # <small>【1.要望の分析】 仕様書だけでは分からない細部はヒアリング(2)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 仕事の仕方も違うのだから必要な機器や設定も異なることがイメージできますか? </small></small> </div> <small> 【例】一般の会社の仕事の仕方(あえて<b>課題の直接の答えにならない</b>例) - <b>仕事の仕方 -> ネットワーク設計に反映させる</b>べきです。以下、例: - 共通:社内ポータルは全員が使います - 技術 - githubは技術の人だけが使っています - 技術の人は色々なサイト(stackoverflow, qiita他)で調べ物をします - 事務の人 - 社内にある専用の事務システム(事務用のソフトウエア製品)を使っています。 - <b>(個人や顧客の情報を扱うので)他部署には使わせません</b> - 営業の人は顧客情報を含んだ提案書をノートPCに入れて持ち歩いています(危!) - 社外からも社内ポータルへアクセスできるようにしています - 提案した書類は社内ポータル(=ファイルサーバ)に置き、社内で情報共有しています </small> --- class: compact # <small>【3.基本設計】</small> <small> 【例】一般の会社の仕事の仕方(あえて<b>課題の直接の答えにならない</b>例) - 総勢100人程度の小規模な会社 - 仕事の仕方は二種類に大別される - 技術部 - それ以外(事務と営業) - VLANとIPアドレス - 検討事項 -> 部署ごとに別のVLANを作成する?<b>(-> フィルタリングが書きやすい設計を推奨)</b> - 共用設備を置くVLANも作成したほうがよい - フィルタリング - 前頁の仕事の仕方をフィルタリング設定に反映させる - <b>最小権限の原則</b>を遵守することを忘れない </small> --- class: compact # <small>【3.基本設計】 VLAN ID</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) 【セキュリティの考察】 VLANはL2的な分離を実現しますが暗号化はしません。 原理的には、 スイッチをアタックして全パケットを覗き見できれば他のVLANのパケットも見えます。 さすがに、そこまでは考えなくてOKです <br> (脚注2) VLANはイーサネットフレームを拡張して実装します。 ヘッダのVLAN IDフィールドの長さが12ビット分 <br> (脚注3) クラウド提供側のネットワークでは、12ビットでも足りません -> VXLAN などの新技術の利用 </small></small> </div> <small> - VLANの区別はVLANに割り当てた数字のIDで行えます - VLAN ID(12ビット)の数字には、1〜4094が利用できます - <b>VLAN 1〜999だけを使うのが推奨です(過去のCisco製品の仕様を考慮したVLAN設計)</b> - <b>VLAN 1は業務用スイッチのデフォルトVLAN値</b>。 基幹ネットワークとしてVLAN 1を使うことも多いようですが、 VLAN 1は間違えてつながると危ないので(自分は)1を使わない方が良いと考えています - 数字に深い意味はありませんが、パッと見て分かりやすい割り振り方が推奨です - 利用しているIPアドレスが連想できたりするとモアベター(<- 昭和:-)です - 例: PC教室にはIPアドレス 172.23.0.0/16 を割り当てた。そのため、VLAN23 とする </small> --- class: compact # <small>【3.基本設計, 4.機器】 機器間の配線</small> <div class=footnote> <small><small> </small></small> </div> <small> - 室内の配線はイーサネットケーブルですが、 <b>室外との配線は光ファイバー</b>。以下、ファイバーの例 - H102〜情報棟のL3スイッチ間 - 情報棟〜機器室(大学全体の基幹機器がある部屋)間 - 講義棟ブロック〜研究棟ブロックの約1キロちょっと(ひらめきの橋) - <b>注:提案では、既存の光ファイバーは使って良い</b>です(使いまわしOK、新設は不要) - もちろん新設が必要な場合は、新設も提案に含めてください(-> 別途みつもりが必要でしょう) - 光ファイバーには種類があります - 近距離はマルチモード、長距離はシングルモード -> 原価表も参照 - スイッチには光ファイバーを挿す場所に専用の機材(GBIC,SFPなど)も必要です-> 原価表を参照 - これらの値段も計上しておいてください </small> --- class: img-right,compact # <small>【参考】 実写編: VLANと物理的機材(スイッチ,光ファイバーなど)</small>  <small> - 物理的にPCとスイッチと光ファイバーとケーブルと... いろいろ並べて[写真](/slides/network/tcpip/ni_devices/)と[動画](https://www.youtube.com/playlist?list=PLS2cEmI21XYJlP3N-J4bOqJHRTdJPX08w)をとりました (力作?を堪能してね) - 構築するだけで5人で2時間くらい使いました (本来は、このあと設定もあるので全部やったら半日仕事) - いやぁ物理作業って大変ですよね? - ブラウザでクリックすればサーバ構築できるクラウドは楽?->一見そう - でも、**クラウドの管理画面は、ほぼネットワークの設定です。 AWS EC2構築で思い知ってくれた?** -> 裏側のサーバやネットワークの仕組みが分からないと障害対応できません </small> --- class: compact # <small>【参考】 実写編: VLANと物理的機材(スイッチ,光ファイバーなど)</small> <small> - 使う配線によって速度の上限も機器の値段も変わります。 既存のファイバーは使ってOK、 Ethernetは上限1Gbps、ファイバーの場合10Gbpsと想定してください  </small> --- class: compact # <small>【参考】 実写編: VLANと物理的機材(スイッチ,光ファイバーなど)</small> <center> <iframe width="918" height="516" src="https://www.youtube.com/embed/-J-dGm7w6Zs?rel=0" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> </center> --- class: compact # <small>【5.回線】 インターネット接続回線の調達(1)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) 細かいことはチーフアーキテクトに聞いてください :-) </small></small> </div> <small> - お客様のニーズにあわせて提案してください - 回線の帯域幅と価格とのかねあいが重要です - お客様は何をお求めですか?それはヒアリングしないと分かりません。例: - ユーザへの安定したサービス(たとえばEL)の提供を重視したい - 無線LANの帯域を確保したいが、基本的におまけなので品質は求めない - 授業で使うZOOMの帯域を確保したい - 回線費用は帯域によって変わるので、複数の回線を組み合わせても良いです - インターネットへの出口を複数用意するということです - そうなると、ルーティングをどうするつもりか?を考えないといけません - スタティックルーティング? - 複数の回線を使い分ける専用機材もありますけど高価です - <b>費用対効果なので専用機材を投入するメリットがあるなら提案してください</b> </small> --- class: compact,img-right # <small>【5.回線】 インターネット接続回線の調達(2): 回線種別</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) SINETの運用はIIJへ依託されています。2022年秋からSINET6(札幌〜東京間が100 -> 400Gbps) </small></small> </div>  <small> - Bフレッツ (安価) - たくさんの顧客で共用するから安価 - 専用線 (高価) - 回線を占有できるため安定した品質 - 安心の運用: 障害は24時間ISPが対応 - 料金は二階建て: キャリア(電話会社)から回線を買う料金 + ISPへのインターネット接続料金(運用費こみ) - 専用線 (SINET;商用ISPよりだいぶ安い) - 高等教育機関向けの文科省ISP - ISP料金0円のかわりに、回線手配も運用も障害対応も自分でガンバレ! <br> って国立大学は情報処理センターに人がたくさんいるからいいけど... </small> --- name: statistical-multiplexing-effect class: img-right,compact # <small>【5.回線】 インターネット接続回線の調達(3): 統計多重効果(1)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) アプリとユーザ依存; 実測すれば環境ごとに違うでしょうけど、設備を打つには怪しい仮説でもwelcome </small></small> </div>  <small> - 右図はyoutubeトラフィックの実例です - (場面転換?時に)5Mbpsくらいまであがり一気に転送された後、 少しずつ差分が送られているような感じに見えます。 おそらくZOOMなども同様です - 異なるアプリを使っていればデータ転送のパターンは少しずつ異なります - 全ユーザがyoutubeを見ていたとしても<b>異なる動画を見ればピークはズレます</b> - そのため100Mbpsの回線は「最大5Mbps使うアプリで20人が使うと限界」ではありません。 実際何人までいけるか?は状況しだいですが、 <b>10倍収容できる説あり(上例なら最大200人)</b> </small> --- class: img-right,compact # <small>【5.回線】 インターネット接続回線の調達(4): 統計多重効果(2)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) ISPのバックボーン(札幌〜東京とか東京〜NYなど)はユーザ間で共用のため、 契約先ISPが十分な帯域のバックボーンを用意(投資)しているか?次第で速度は大きく変わりえます。 大雑把に言えば、<b>こういった投資をどれだけしているか?がISPの格と料金の違い</b> </small></small> </div>  <small> - 一つの回線にどれだけユーザを収容するか?は値段に直結します - 収容人数が多い -> 低価格なBフレッツ - 専用線は占有しているのでISPまでの帯域(千歳〜札幌)は100%保証されます(脚注) - 回線速度は、アプリの振る舞いやユーザそして運しだいです。 自宅のBフレッツの帯域が十分ある人もいれば、 インターネットが遅い人もいます (例:運悪く同じ回線にパワーユーザがいる) </small> --- class: compact # <small>【2.ウリ】 各グループのウリ</small> <small> - 基本設計の必須事項としては、このくらいでしょうか - このへんまでは構成図の最低ラインの話で、 これに**弊社のウリ**を付け加えないと提案は通りません(-> プレゼンの評価が高くなりません) - そこが技術部の腕の見せ所だということです - ウリとは**他社との差別化**のことです - **弊社の提案は〜について考慮しており、よりよい〜が実現できます**。例: - 災害対策(冗長化された回線) - 学内でウィルスをまいている犯人を高速に見つけられます - 統合運用を実現しているので運用しやすいです - 全員で同時にZOOMを使っても大丈夫です! - 授業で〜を実現でき〜が良くなります - もちろん提案だけではだめで、**具体的に、どう実現するか?を審査します** - **ウリがよければ、少々高くなっても御社の提案を採用します!** </small> --- class: compact # <small>今回のお客様の評価方針</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) あくまでも<b>今回のお客様は内容重視</b>という大変よい顧客が想定されています。 世の中いろいろな客がいて...(闇,省略)...わけですが、 個人的には「安かろう悪かろう」の客とは縁を切ることを推奨 (そういう顧客とは長いおつきあいが出来ないから) <br> (脚注2) (今回の最終課題では見積りの精度が悪いので細かい額までは見ませんが) 【現実の話】 もし2倍ちがう極端な場合、 たとえば他社が3000万で御社が6000万の提案なら、 プラス3000万の価値を客(審査員)に納得させてください。 -> 受注できるでしょう </small></small> </div> <small> - もちろん、コストパフォーマンスも大事ですが、なにより<b>内容重視</b>です <small> - 値段がすべてではありません、**価格にみあった提案を歓迎**します - ダメな例: 謎の新興メーカー製スイッチのネットワークを他社の半額で提供する激安提案! </small> - **適正利益を確保しつつ、お客様の内実をよく理解した内容のある提案**が理想です <small> - 適正利益をのせていない無理な提案は、のちのち悪い結果をうみます - 典型例: しばらくすると約束どおりのサポートをしなくなったり... </small> </small> --- class: title, smokescreen, shelf, no-footer # <small>付録A: 小規模な会社の引越し案件みつもり例</small> --- class: img-right,compact # <small>案件の概要と構成図</small> <div class=footnote> <small><small> </small></small> </div>  <small> - 会社が少し大きくなり手狭になったため、隣のビルにもオフィスを借りたお客様 - 要望:2つのビルにまたがる社内LANを新たに構築したい - 各ビルに2フロア - スイッチ間は光ファイバ - インターネット接続に必要なもの一式の見積り(5年分の総額)を希望 - インターネット接続回線 - 機器+構築にかかる作業費 - 保守費 </small> --- class: compact # <small>機器構成と原価</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) これは原価なので、これに利益を載せて見積もりを作成してください </small></small> </div> | 機器 | 個数 | 金額(万円) | 備考 | |----------------------|------:|-----------:|------------------------------------| | ルータ | 1 | 20 | | | FW | 1 | 100 | | | L3 sw | 1 | 100 | コアSW兼distribuion sw (本社用) | | L3 sw | 1 | 100 | distribuion sw (隣のビル用,(新)) | | L2 sw | 4 | 200 | 各フロアに1つずつ | | WWWサーバ | 1 | 50 | 物理サーバを1つ | | wifi AP | 4 | 40 | 各フロアに1つずつ | | wifi 管理 | 1 | 100 | コントローラ(管理画面) | | SFP(SM) | 2 | 40 | 1Gbps | | SFP(MM) | 8 | 80 | 1Gbps | --- class: compact # <small>通信回線、作業費、保守費</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注) これは原価なので、これに利益を載せて見積もりを作成してください </small></small> </div> | 機器 | 個数 | 金額(万円) | 備考 | |----------------------|------:|-----------:|------------------------------------| | Bフレッツ | 60ヵ月| 120 | 月2万*60 | | 作業 | 5人日 | 50 | 設計(基本1、詳細1)、構築2、その他1 | | 保守費(センドバック) | 5年分 | 120 | L2 swとwifi AP関係のみ、価格*0.1/年=24 | | 保守費(オンサイト) | 5年分 | 350 | 平日昼間のみ対応、残りのハード価格*0.12/年=70 | --- class: title, smokescreen, shelf, no-footer # <small>付録Z: さいごに、はげましの言葉 :-)</small> --- class: compact # <small>付録Z: 時間が人を左右するのではない、人が時間を左右するのだ :-)</small> <div class=footnote> <small><small> (脚注1) ただ、カリ城、話の整合性はないけどね!いいんだよ面白いんだから <br> (脚注2) もちろんレーザーディスク(<-それも初版)で持ってるよ(^^)カリ城はDVDも持ってるな <br> (脚注3) タイトルは宮崎駿かんけいなくて、北海道が誇る炎の漫画家"島本和彦"先生です:-) </small></small> </div> <small> - あと3回しかない!とドキドキでしょうか <small> -> 大丈夫、大丈夫、ほれ、ジブリをみてみろと </small> - 往年の宮崎駿マニアは**最初の2つ以外はどうでもいい**と思っているものです 1. 未来少年コナン (1978,最初のテレビ監督作品、youtubeで全話みられます) 1. ルパン三世カリオストロの城 (1979,最初の映画監督作品) <small> - **カリオストロの城なんて、以下のありさまなのに、伝説の出来ばえ** - 素人アニメータの集団(テレコムという会社)の新人研修教材として製作 - 総製作期間が9ヶ月、作画期間わずか3ヶ月なのに ... アニメ史上の最高傑作と言う人も多い - 教育担当の作監の(故)大塚康生さんは途中で2週間行方不明とか(w)、 いろいろな逸話あり(w) </small> - **宮崎駿に豊富な資金と人材と十分な制作期間をあたえたら映画がおもしろくなるのか?** <small> - 正直、上記2作品に匹敵する作品を(ジブリで)見たことがないな ... </small> </small>